2009年06月02日
鉄と人体
生体においての鉄の役割として、赤血球の中に含まれるヘモグロビンは、鉄のイオンを利用して酸素を運搬している。そのため、体内の鉄分が不足すると、酸素の運搬量が十分でなくなり鉄欠乏性貧血を起こすことがあるため、鉄分を十分に補充する必要がある。鉄分は、レバーやほうれん草などの食品に多く含まれ、これらを摂取することで改善される。また鉄の溶解度が小さい土壌で育てられる植物などでは、鉄吸収が不足することで植物の成長が止まり黄化することがある。この症状は、土壌に水溶性型の鉄肥料を与えるなどすると一時的に改善されるが、植物中に含まれる鉄量が増えるわけではなく、ビタミンAの含有量が増えることがわかっている。したがって、鉄肥料を与えることは植物中の鉄分ではなくビタミンAを増やすことに役立つ。植物の鉄欠乏を長期的に改善するには、土壌に大量の硫黄を投入するなどして、土壌質を変える必要がある。なお陸上植物に限らず、藻類も微量の鉄を必要とする。
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一方で、過剰な鉄の摂取は生体にとって有害である。自由な鉄原子は過酸化物と反応しフリーラジカルを生成し、これがDNAやタンパク質、および脂質を破壊するためである。細胞中で鉄を束縛するトランスフェリンの量を超えて鉄を摂取すると、これによって自由な鉄原子が生じ、鉄中毒となる。ヒトの体には鉄を排出する効率的なメカニズムがなく、粘膜や粘液に含まれる少量の鉄が排出されるだけであるため、ヒトが吸収できる鉄の量は非常に少ない。しかし血中の鉄分が一定限度を超えると、鉄の吸収をコントロールしている消化器官の細胞が破壊される。この為、高濃度の鉄が蓄積すると、ヒトの心臓や肝臓に恒久的な損傷が及ぶ事があり、最悪の場合は死に至ることもある。
米国科学アカデミーが公表しているDRI指数によれば、ヒトが一日のうちに許容できる鉄分は、大人で45ミリグラム、14歳以下の子供は40ミリグラムまでである。摂取量が体重1キログラムあたり20ミリグラムを超えると鉄中毒の症状を呈する。鉄の致死量は体重1キログラムあたり60ミリグラムである。6歳以下の子供が鉄中毒で死亡する主な原因として、硫酸鉄を含んだ大人向けの錠剤を飲み過ぎるケースがあげられる。
なお、遺伝的な要因により、鉄の吸収ができない人々もいる。第六染色体のHLA-H遺伝子に缺陥を持つ人は、過剰に鉄を摂取するとヘモクロマトーシスなどの鉄分過剰症になり、肝臓あるいは心臓に異変を来す事がある。ヘモクロマトーシスを患う人は、白人では全体の0.3〜0.8パーセントと推定されているが、多くの人は自分が鉄分過剰症であることに気づいていないため、一般に鉄分補給のための錠剤を摂取する場合は、とくに鉄缺乏症でない限り、医師に相談することが望ましい。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
赤血球の中に含まれるヘモグロビンに鉄は必要不可欠です。
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